いつものバーと、作家氏の思い出


マルタ本島の北に、その三分の一あるかないかの大きさの姉妹島ゴゾがある。
旅行者にとって、交通手段は、マルタ北端のチルケッワからの所要20分ほどのフェリーか、マルタ国際空港からの定期便ヘリコプターしかない。
普通の日本人にとっては、最も遠い場所の一つだろう。
夏のマルタが渇ききった岩場の島のイメージが強いのに対し、こちらは、緑多きマルタ共和国の穀倉。
フェリーの発着港イムジャーの入り江を見下ろすように、島都ヴィクトリアへつづく坂道の途中、一軒のバーがある。
名前はグレンイーグルス・バー(GLENEAGLES BAR)。
オーナーバーテンダーのトニー・グレッチさんには、ここ何年来親しくしてもらっている。
トニーさん、弟のサムさんに会うのが、毎回ゴゾを訪れる大きな理由のひとつ。
このバーは、A.J.クィネルという作家の代表作『クリーシィ・シリーズ』にたびたび登場。
トニーさんも、「トニー・ザ・ホワイノット(Tony the Why not)」としてたびたび作品中に顔を出す。
世界中のミステリー好き、ポリティカルサスペンス好きには、わりと名前の知られたバーとバーテンダーなのである。
店に来ていたそのクィネル氏を、トニーさんが紹介してくれて、会話をしたことがある。
「父親と二人してファンである」
といったら、後で、両手でかかえるくらいの何冊ものサイン本を届けてくれた。
そのクィネル氏は、昨年の夏、他界された。
体が大きく、眼光するどい人だったが、気さくで親切でもあった。
小説の登場人物のように、バーのテラスで、ハーフパイントのラガーを手に、イムジャーの入り江を眺めながら、しばしクィネル氏を偲んでみる。
いただいたサイン本はいまや家宝である。
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